レジオネラ菌の特徴と人に感染するしくみを理解すれば予防は簡単

生活雑記

こんにちは!

 
前回の記事では、加湿器に潜むレジオネラ菌についてお話しましたが

今回は、レジオネラ菌の特徴や人に感染するしくみをもっと詳しく解説します。

レジオネラ菌は、肉眼では存在を確認できないほど小さな生物という意味では怖いですが

それでもレジオネラ菌がどんな細菌なのかがわかれば、感染予防策を確実に行えます。

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レジオネラ菌の特徴

・自然界に普通に存在している

前回の記事でも触れましたが

レジオネラ菌は、土壌の中や淡水の河川、湖沼などに生息しています。

酸性あるいはアルカリ性の水中にはいません。

・原生動物に寄生して生息する

レジオネラ菌は、アメーバなどの原生動物に寄生して増殖します。

原生動物とは、体が細胞1個だけで出来ている生物の事です。
(ちなみにヒトは約37兆個の細胞で出来ています)

 
アメーバの体の中に寄生したレジオネラ菌は

アメーバの体内で増殖を続け、やがて寄生されたアメーバの体は破裂します。

その際に飛び散ったレジオネラ菌は、また別のアメーバなどを見つけて寄生します。

そうして爆発的に増殖していきます。

 
よくキッチンや浴室の床などで

「ぬめっ」とした感触に触れた経験が誰しもあるかと思いますが

あの「ぬめり(バイオフィルム)」には、様々な細菌やその排泄物が含まれています。

その細菌および排泄物はアメーバを始めとする原生動物のえさとなるので

そこにはアメーバが必ず存在しています。

つまり、アメーバに寄生して増殖するレジオネラ菌の温床となるわけです。

特に浴室はレジオネラ菌が最も活動しやすい水温であったり

その水が細かい粒子となりやすい環境であったりと、

感染リスクが高い場所になります。

 
レジオネラ菌は入浴施設などの浴槽水で通常使用するくらいの塩素濃度で死滅しますが、

アメーバなどの原生動物の中に寄生するレジオネラ菌は外界から守られた状態になります。

そのため、塩素などの薬剤は十分には効果を発揮することができません。

宿主であるアメーバ自身も、塩素などの消毒剤に強い耐性を持つため死滅しません。

 
この事から、定期的な清掃や消毒でバイオフィルムそのものを除去する事が

レジオネラ菌の感染予防につながると言えます。

 
ちなみに、アメーバにはレジオネラ菌だけでなく結核菌、病原性大腸菌O157、抗酸菌なども

寄生して増殖することがわかっています。

従って、アメーバ≒ぬめりを除去することは、感染症の総合的な発生予防にもなるのです。

・60℃以上で5分間以上は耐えられない

レジオネラ菌は20℃~50℃の温度の中で生きられます。

36℃が最も活動しやすい温度なので、

入浴施設などでの集団感染の事例が多いのも頷けますね。

 
20℃以下、あるいは45℃以上になると

死滅こそしないものの、活動が鈍ってきます。

 
更に55℃の環境下では一時間で死滅します。

それが60℃になると5分に短縮されます。

人への感染のしかた

・感染しやすい人

健康な大人であれば、レジオネラ菌に感染する事はあまりありません。

感染する可能性がある人は、幼児やお年寄り、風邪気味の人、

糖尿病、AIDsなどで免疫機能が弱くなっている人、

そして過度の飲酒や喫煙の習慣がある人もあてはまります。

・感染経路

人から人への感染はありません。

また、胃に入ると胃酸で死滅するので、経口感染もありません。

 
ではどうやって感染するのか?と言うと、

レジオネラ菌が含まれた水が気道に入り、肺に達した場合に感染します。

ヒトの体は通常の状態であれば、ちょっと水が気管支に入っただけで激しくむせて

そうする事で水がその奥にある肺にまで達する事が阻止されているわけですが

超音波式加湿器や入浴施設、人工の滝や噴水などの水利用施設で

目に見えないくらいの小さな粒子(エアロゾル)となった水は簡単に吸入出来てしまいます。

 
エアロゾルの中にレジオネラ菌が含まれていた場合、

肺に達したレジオネラ菌は、肺の中にいる

肺胞マクロファージという細胞に寄生し、増殖します。

 
肺胞マクロファージとは、白血球の一種です。

肺は、より多くのガス交換を効率よく行うために

外界と接触する表面積が非常に大きい器官となっています。

そのため、病源菌など外部から入ってくる自らの細胞内に

取り込んで(食べて)除去する目的で、

肺胞マクロファージが多数存在しています。

 
この免疫細胞である肺胞マクロファージがレジオネラ菌に感染する事で

肺における免疫機能が異常をきたし、いわゆる肺炎のような症状を発症するのです。

まとめ

レジオネラ菌は自然界に普通に存在している細菌ですので

上手にお付き合いする姿勢が重要です。

 
今回解説した、レジオネラ菌の特徴と感染のしくみから

・ぬめりは徹底除去

・水は常に新しく取り替える

・普段から健康管理

といった感染防止策が有効なのがわかります。

どれも普段から少しだけ気をつけて心がけていれば

小さな労力で済ませられる事ですね。

 
日々の心がけをしっかり維持してレジオネラ菌の感染を予防しましょう。

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