縄文土器先生byびじゅチューン!~怒ると煮物を作ってアピール!~

びじゅチューン!

こんにちは!
 
 
毎週火曜日19:50~(再放送 水曜日22:45~)は、
Eテレの「びじゅチューン!」を観ています。

アーティストの井上涼さんが、独自の視点からオリジナルの歌とアニメで
世界的に有名な美術作品を紹介していくという番組です。

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アニメのストーリー

今回の放送は、「縄文土器先生」。

ボッティチェリ高校付属中学校で英語を教える縄文土器先生。

縄文土器先生は頭部は土器、首から下は普通の人間の体型をしているので
(しかも、ちょっとガタイが良い)シャツとネクタイがよく似合っています。
首がとても太くて逞しくて素敵です。

縄文土器なので、縄文時代から生きています。
とんでもなく長寿です。
よくぞここまで生きながらえてくれました。

「NEW knows OLD」が方針。
渦巻き模様は怖いけど、性格は紳士で優しい縄文土器先生。
大昔から私たちの味方です。

そんな縄文土器先生のネクタイは、同じ縄文時代を生きた土偶柄。
私たちの大昔を生きたご先祖様たちの悩みさえも、先生は知っているのです。
大昔のご先祖様たちは、どのような悩みを抱えていたのか気になるところですね。

昔の事も好きだし、現代も大好きな縄文土器先生。

そんな先生ですが、怒ると自らの頭部である土器で煮物を作って
「こんなに怒っているんだぞ!!」と、アピールします。

でも結果的に美味しい煮物が出来るので、
怒っているのにその煮物を振る舞っちゃいます。

英語教師のはずなのに、跳馬めっちゃ上手い縄文土器先生。
ガタイが良いのも頷けます。
学生時代は体操部にでも入っていたのでしょうか。。。
縄文土器先生の過去が気になります。
といっても、その過去が1万年以上に及ぶので全て遡るのは大変ですが…

そんな縄文土器先生。
これからも長生きして、私たちのひいひいひいひいひい…孫の世代まで
生きたいと意気込んでいらっしゃいます。

縄文土器(先生)についての解説

縄文土器誕生の背景

縄文時代は、約1万5,000年前(紀元前131世紀頃)から約2,300年前(紀元前4世紀頃)に
日本列島で発展した時代です。

縄文土器は、その縄文時代に作られた土器の総称です。
 

長い氷河期が終わりを迎えると、針葉樹に加えて広葉樹が育つようになり、
クルミなど木の実がたくさん採れるようになりました。

その一方で、気温の上昇はマンモスやナウマンゾウなどの
巨大哺乳動物にとって厳しい環境になることを意味し、
それらの動物は環境の変化に対応しきれず、徐々に姿を消していきます。

このような急激な気候や生態系の変化に対応するため、
磨製石器や弓矢などの新しい道具が次々に考案されていきました。

そんな中で誕生した縄文土器。
食べ物を煮る事で、硬くて食べられなかった食材も食べられるようになったり、
食材に火を通せるようになった事で貯蔵が可能になったりと、
人間の暮らしの安定化に大きく貢献する道具となりました。
 
 

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縄文土器の謎

縄文土器先生のモデルとなったのはもちろん縄文土器ですが、
縄文土器にも様々な種類があり、目的や場面に応じて大きさや模様が異なっています。

縄文土器先生は「火焔型土器(かえんがたどき)」という土器で
装飾の多い縄文土器の中でもひと際、装飾が目立つ種類の土器です。

しかし、「縄文」の名の由来である縄の模様は
この火焔型土器には掘られていません。

更にこの火焔型土器、日本の限られた地域からしか出土していないのです。
その地域とは、信濃川流域…新潟県を筆頭に、長野県、福島県。
(アニメの中で縄文土器先生は新潟弁を話すとありましたね^^)

しかも、その限られた地域から出土する土器の中でこの火焔型土器の割合は1割程度。

その一方で、
出土したすべての火焔型土器には「おこげ」の後が付いていた事から

縄の目がついた縄文土器は日常用として煮炊きに使われ
祭事など特別な場合にのみ火焔型土器が煮炊きに使われていたのではないか?

と推測されています。

特別な日にだけ使われる土器、火焔型土器。
その情熱的な炎のような、鶏のトサカのような、波打つ日本海の荒波のような…

あまりにも繊細で表現力のあるその装飾に、
太陽の塔をプロデュースしたあの岡本太郎氏は一目見た瞬間に
「なんだこれは!」と、心底驚いたほど。

そんなある意味とても芸術的とも言えるその装飾に

何か特別な技術を持つ職人的な人物によって作られたのかな?

そして、

装飾の一つ一つに何か特別な意味が込められているのではないかな?

と思ってしまいますが、
狩猟や採集がメインの縄文時代から、
水田耕作など農業がメインの弥生時代に移り変わるのと同時に
こつ然と姿を消します。

あの情熱的な装飾の技術を誰も継承しなかったのでしょうか…?

1万年以上昔の事だけに、謎が多い縄文土器です。

そして数千年~1万年以上の歳月を経て、
研究のため来日していたアメリカの動物学者エドワード・S・モースによって発掘され、
再び日の目を見る事になりました。
(縄文土器先生が英語教師になったゆえんかも知れませんね^^)
 
 

土偶がいる件

今回のアニメ、右わきで歌詞カード持っているアシスタントが土偶でしたね。

土偶もまた、縄文文化を象徴するアイテムの一つで
縄文土器と同じ土で作られています。

その用途は、主に祭事において祈りの対象になったり、またはその反対で
土偶をわざと破壊する事で災厄を身代わりとなり被ってくれる存在としたり
そんな位置付けであったようですが、はっきりとはわかっていません。

そして土偶もまた、縄文時代の終わりと同時になぜか姿を消しています。
(ちなみに土偶と似ている埴輪は、もっと後の古墳時代に作られたものです)

火焔型土器と土偶、その材料も同じというだけではなく
誕生のタイミングと姿を消すタイミングまでもが一緒で
お互いの事を特別な存在と認識しているのかもしれませんね^^
 
 

まとめ

こうしてアニメを通して歴史の知識が増えていくのもまた、楽しいですね^^

それにしても毎度思うのは、
井上さんが作るびじゅチューン!のアニメは、
どれも上手に作られているなぁ~と。

歌詞もアニメも複雑ではなさそうでいて、
実はその取り上げた作品についての情報がふんだんに盛り込まれている。

縄文土器や土偶と同様に、井上さんが作るアニメもまた、
奥が深くて魅力的だなぁ、と思いました^^

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