こんにちは!
毎週火曜日19:50~(再放送 水曜日22:45~)は、
Eテレの「びじゅチューン!」を観ています。
アーティストの井上涼さんが、独自の視点からオリジナルの歌とアニメで
世界的に有名な美術作品を紹介していくという番組です。
放送内容(アニメのストーリー)
今回の放送は、「保健室に太陽の塔」。
物語の中で、太陽の塔が保健室の先生になっています。
白衣を着て、白衣の裾を風になびかせながら、窓の外を見ています。
そこへ、気弱そうな女子生徒が保健室を訪ねます。
太陽の塔にしか話せない悩みがあるそうです。
太陽の塔先生は言います。
「この3つの顔をごらん。」
太陽の塔先生の背中にある黒い顔は「過去」を、正面のムスッとしているのが「今」を、
てっぺんにある金色のが「未来」を見ている。
「過去」「今」「未来」3つの視点からアドバイスが出来る太陽の塔先生曰く、
「何を聞いても驚かないわ。」
また、太陽の塔先生はお腹にある扉をパカッと開いて言います。
「この生命の樹をごらん。」
カラフルで大きな木の根元には、アメーバ。
木の真ん中あたりには恐竜。
てっぺんにはクロマニョン人。
「あなたはその最先端。何を選んでも、それは進化。」
そんな前振りを経て、いよいよ太陽の塔先生のアドバイスが始まります。
「屋根を突き破るのよ!
ちょっと怖いけど、保健室で私がいつも待ってるから。」
気弱そうだった女子高生の表情に、変化が現れます。
太陽の塔先生は、更に両手を広げて続けます。
「次の瞬間は既に、新しいあなたになっている。」
太陽の塔先生からの素晴らしい御言葉を頂戴した女子生徒は、
保健室に来た時とはまるで違う力強い足取りで保健室を後にします。
そんな女子生徒を見送った後、
太陽の塔先生は、ムスッとした表情から「ニコッ☆」と微笑みます。
アニメ内容と実際の作品とを比べてみる
今回、井上さんが取り上げた作品は、岡本太郎氏の「太陽の塔」。
太陽の塔の、どっしりとした安定感が、まるで
「白衣を着て両手を広げて迎え入れてくれているような」感じに見えたそうです。
激動の時代をずっとこの姿勢で見続けてきた太陽の塔は、
心には熱い気持ちを持ちつつも、みんなには優しい保健室の先生のように
井上さんには見えたそう。
太陽の塔の内部には、これまた岡本太郎が作った「生命の樹」があります。
どっしりとしていて両手を広げ、優しそうな外見とは裏腹に
「生命の樹」は、奇抜な色がたくさん使われ、アメーバ、恐竜、原始人などが表現されています。
こういった「外と内のギャップ」が、
井上さんには「心に熱い気持ちを持ちつつも、みんなには優しい保健室の先生のよう」に見えたそうです。
ちなみに…
番組内で、歌は2回流れます。
1回目はノーマルバージョンですが、
2回目はコーラスバージョンになります。
このコーラスバージョンでは、
曲の冒頭からコーラスが入るのですが、
そのコーラスの歌詞が「万博、万博、万博、万博…」と、
「万博」の連呼から始まっています。
番組を視聴するときには、ぜひコーラスの方にも耳を傾けて
楽しんで聴いてみてくださいね^^
そして冒頭のキラキラした音は
細胞が分裂していくのをイメージした音なんだそうです。
お、奥が深い…!
今回のアニメで歌詞カードを持っているミイラのようなキャラクターは
太陽の塔・第四の顔である「地底の太陽(太古の太陽)」。
「人間の祈りや心の源を表す」存在として、太陽の塔の地下空間に設置されていました。
アニメでは第四の顔は白いですが、実物は黄金色で大きさは
直径3メートル、全長11メートルもあったのですが
万博終了後のドタバタで行方不明になってしまったそうです。
こんな大きなものが行方不明になってしまうなんて、不思議な話ですよね…
そんな経緯もあって、アニメでは白くミイラみたいに描かれているのかな~
…なんて勝手に邪推してしまいます。
太陽の塔について
太陽の塔を知らない日本人はいないかと思います。
1970年(昭和45年)に、大阪において万国博覧会が開催されることが決まりました。
国家より、テーマ展示のプロデューサーを依頼された岡本太郎氏は、
「とにかくべらぼうなものを作ってやる」とひたすら構想を練り、
そうして出来上がったのが総高70mの「太陽の塔」です。
井上さんのアニメの中に「Beベラボー」という言葉がありましたが、
その由来は、太陽の塔が誕生する時の岡本太郎氏の「熱い思い」から来ていたのですね。
万博開催当時、太陽の塔は会場の屋根を突き破る形で展示されていました。
井上さんのアニメの中にあった太陽の塔先生の名言
「屋根を突き破るのよ!」
は、ここから来ていたんですね。
万博終了後、太陽の塔は永久保存が決定し、現在も大阪のシンボルとして愛されています。
私たちも、それぞれの人生において楽しい事・嬉しい事ばかりではなく
挫折しそうになる瞬間も多々訪れますが
岡本氏のように、そして太陽の塔先生の中にそびえ立つ生命の樹のように
「内なる熱い思い」だけは絶やさずに生きていきたいものですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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