こんにちは!
海の危険生物を解説する記事が続いておりますが、
今回は最終回で、海底や岩場などで遭遇する可能性が高い
海の危険生物(魚類以外)をご紹介していきます。
目次
ムツサンゴ
分布:北海道~本州中部
山吹色で1センチにも満たない小さなイソギンチャクのような見た目です。
クラゲのように刺胞を持っていて、皮膚の薄い部分が触れると痒くなり、赤く腫れます。
ガンガゼ
分布:神奈川県・三浦半島~沖縄にかけての岩場やサンゴ礁
沖縄では砂底に群れをなして生息しているのも見られます。
ウニの一種で、長いもので30センチに達するトゲには毒があり、
皮膚に刺さるとトゲが折れ込み、激しい痛みをおこし赤く腫れます。
トゲの先には「返し」もついていて、一度刺さると自然には抜けません。
もし被害に遭ったら…
毛抜き(素手はNG!)で出来るだけトゲを取り除き、患部を海水で洗います。
あればアルコールで消毒し、火傷しない程度のお湯に浸けて、ただちに病院へ。
ウミケムシ
分布:本州中部以南
比較的暖かい海を好みますが、山形県で発見された例もあります。
夜行性で昼間は海底の砂の中に潜っている事が多く、夜になると海中を遊泳します。
その速度は比較的早いので注意が必要です。
体の側面に生えた剛毛に毒があり、刺激を与えると
普段は寝かせているその剛毛をパッと逆立てます。
剛毛が皮膚に刺さると、毛が抜けて皮膚に残り、毛の中にある毒液が注入され、
刺されたような痛みを感じ、赤く腫れた後に痒くなります。
腫れと痛みは1日ほど続き、痒みは数週間取れないこともあります。
もし被害に遭ったら…
素手では触らずに、ガムテープや毛抜きなどで毛を除去し、ただちに病院へ。
ラッパウニ
分布:神奈川県・三浦半島~沖縄にかけての浅い海の岩の上
ウニの仲間ですが、見た目はウニのように黒くトゲトゲしてはおらず、
どちらかというとイソギンチャクのイメージに近いです。
一般的なウニのイメージのようなトゲではなく、短く花のような形のトゲが多くあります。
体の表面にサンゴ片や貝殻などをくっつけて擬態している場合が多いので注意が必要。
ラッパのような形をしたトゲに毒があり、これに触れると強い痛みを感じ、
めまい、唇や舌やまぶたや筋肉などの麻痺、失語、体温低下、
呼吸困難などの症状が出る場合もあります。
もし被害に遭ったら…
素手で触れないように傷口からトゲを取り除き、真水で洗い流します。
火傷しない程度のお湯に一時間前後浸けて毒素を中和し、ただちに病院へ。
アカエイ
分布:北海道南部~
体長1メートル、尾を含めた全長は最大2メートル程度になります。
普段は浅い海の砂底に潜り、泳ぐときは海底近くを羽ばたくように泳ぎます。
潮干狩りや海水浴中に浅瀬でアカエイに気付かず踏んでしまい、
被害に遭うケースが毎年多く報告されていますが、こちらから触ったりしない限りは
人を刺す事はありません。
座布団のような体に比べて尾は細長く、しなやかなムチのようですが、
この尾の背面に短いトゲが列になって並んでいます。
更に中ほどには数センチ程度の白く長いトゲがあり、この長いトゲに毒腺があります。
刺されると激痛が走り、傷は大きく赤紫色に腫れます。
腫れは酷い場合は壊死する事もあります。
血圧低下、嘔吐、下痢、筋肉の麻痺や痙攣、呼吸困難、失神をおこす事もあります。
もし被害に遭ったら…
傷口を真水で洗い流し、毒針をペンチなどで取り除きます。
毒はたんぱく質なので患部を火傷しない程度のお湯に一時間程度浸け、ただちに病院へ。
パッと見ではアカエイの毒針は一本ですが、
その一本を顕微鏡などで拡大して見ると、
細かいトゲがたくさん連なっているのがわかります。
このトゲは切り返しになっていて、毒針を抜く際には肉を引き裂き、
更に皮膚の中に残る場合があるので、
病院に着くまでに出来るだけそのトゲを取り除く事が大事です。
まとめ
魚類とは違って、動きが少なくその場にじっと留まっている事が多い危険生物を
まとめてご紹介しました。
不用意に自然の生物に触らないようにする事が一番安全策だと私は思います。
触りたくなる気持ちはよくわかるのですが…綺麗だな~不思議だな~と、
少し離れた場所から眺めておくのが一番適切な距離感だと思います。
夏の海レジャーには、危険生物にお気をつけて!
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