仏教の花祭りって何?甘茶の作り方や白い象の意味を解説

仏教

毎年3月の半ばを過ぎたころから、ちらほらと花祭りという言葉を見聞きする事があると思います。
花祭りという名前のお祭りは世界的に見てもたくさんありますが、ここでは仏教においての花祭りについてご紹介していきます。

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花祭りって、そもそも何?

花祭りの正式名称は、灌仏会(かんぶつえ)と言います。
これは、御釈迦様の誕生を祝う仏教行事です。
御釈迦様が旧暦の4月8日に生誕したという言い伝えに基づいて、日本では毎年4月8日に行われています。
今から約2500年前の4月8日、ネパールのルンビニーの花園で、御釈迦様は誕生しました。
御釈迦様は、生まれるとすぐに東西南北それぞれ7歩ずつ歩き、右手は天を、左手は地を指して、「この世に個として存在する『我』より尊い存在はない(天上天下唯我独尊)」と宣言しました。一人一人が尊いものであるという意味です。
この時、御釈迦様の誕生を祝い、周囲の花々は咲き乱れ、空からは御釈迦様の誕生を祝う龍が甘露の雨を降り注ぎ、世界中が輝き喜びで溢れたと伝えられています。
この事から、現在催される仏教の花祭りではたくさんの花々でお寺やお堂を飾りつけ、御釈迦様の像に甘露の雨を表現した甘茶(あまちゃ)をかけるようになりました。
4月8日は、キリスト教でいうところのクリスマスといったところでしょうか^^

花祭りでは、どんな事をするの?


お祝い事なので、草花などで飾りつけした花御堂(はなみどう)を作り、その中に誕生仏(御釈迦様が誕生した時の姿をした仏像)を置きます。
そして、その誕生仏に柄杓(ひしゃく)で甘茶をかけてお祝いします。
また、稚児行列が行われる地域やお寺もあります。
これは、子供たちに華やかな着物を着せたりお化粧をしたりして、甘茶かけやお寺周辺を行列を作って練り歩き、参加された子供たちの健やかな成長を願う催しです。

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甘茶ってどんなもの?

甘茶の原料は、ユキノシタ科のガクアジサイの変種であるアマチャになります。
8月~9月に、この若い葉を摘み、蒸して揉んで乾燥させたものを煎じてお茶として飲むことが出来ます。
甘茶という名前の通り、甘みがあり黄褐色のお茶になります。
アマチャの葉を摘んだ段階では甘みはなく、葉を乾燥させることによって甘みが出ます。
また、タンニンを含みますが、カフェインは含みません。
毒性はありませんが、濃く出し過ぎた甘茶を飲むと中毒症状が出る恐れがあり、注意が必要です。

白い象はどんな意味があるの?

御釈迦様のお母さんであるマーヤさんが、ある日夢を見ました。
その夢は、6本の牙を持つ白い象がマーヤさんの体の中に入ってくるというものでした。
マーヤさんが目を覚ますと、マーヤさんのお腹には赤ちゃん(御釈迦様)が宿っていたことから、花祭りには御釈迦様を乗せた白い象が登場するのです。
お寺によっては、門の前などに象の石像が置かれていますが、その由来もこうした言い伝えに基づいたものなのです。
6本の牙を持つ白い象にも意味があり、6本というのは六波羅蜜(ろくはらみつ)という、悟りを得るために完成させておかなくてはならない6つの修行を表しているという言い伝えがあります。
つまり、6本の牙を持っているということは、六波羅蜜を完成させているという事です。
そして、白い象というのは、象そのものが神聖な生き物である事に加えて、特に白は何も染まっていない最も神聖なものを表す色である事から、非常に神聖な存在であるという意味です。
ちなみに御釈迦様は、マーヤさんががルンビニー園で無憂樹(ムユウジュ)の花枝を手折ろうとした時にマーヤさんの右脇の下から生まれたんだそうです。ちょっと不思議な言い伝えですね。
 
 

まとめ

花祭りは、ちょうど冬が終わり様々な花が開花する時期に催されるお祭りなので、その本来の意味に意識を向ける機会も少ないかもしれません。
でも、御釈迦様の誕生パーティーなんだなと思うと、元々の華やかさに加えて気持ちももっと華やぎそうですね^^

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