こんにちは!
みなさんは「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」の神話をご存知でしょうか?
神話の詳細まではわからなくても、「いなばのしろうさぎ」という言葉を
一度くらいは耳にした事があるのではないでしょうか?
因幡の白兎の神話に出てくる「大国主(おおくにぬし)」という神様は
出雲大社に祀られています。
そして、出雲大社境内には多くの「因幡の白兎」像があり、
参拝者たちを楽しませています。
今回は、あの有名な「因幡の白兎」神話を振り返りながら
出雲大社と大国主と因幡の白兎の関係性を解説していきます。
登場人物
・大国主(おおくにぬし)
見た目はアレだけど心優しい神様
いじめられっ子だけど何気にけっこう運が良い
・八十神たち(やそがみたち)
底意地の悪い神様集団
別の神話では徹底的に大国主を迫害する
・兎(うさぎ)
ずる賢いけどツメが甘くて痛い目に遭う
・八上比売(やかみひめ)
美人だけど好みのメンズは「見た目よりハートが大事」派
ストーリー
昔、出雲の国に大国主という神様がいました。
大国主にはたくさんの兄弟(八十神たち=やそがみたち)がいましたが、
大国主は八十神たちの中でも一番心優しい神様でしたが、
身なりがみすぼらしかったために八十神たちからはいつも馬鹿にされていました。
ある日、八十神たちは
因幡の国(現在の鳥取県のあたり)に「八上比売(やかみひめ)」という美しい姫がいる
という噂を聞き、みんなで見に行く事になりました。
八十神たちは自分たちの荷物を全部大国主に押し付け、さっさと行ってしまいます。
心優しい大国主は、八十神たちの荷物を一人で背負って
一番後ろからとぼとぼと付いていきます。
そして八十神たちが因幡の国の気多の岬に着いた時、
皮を剥がれて苦しみ泣いている兎に出会います。
その兎を見つけた意地悪な八十神たちは、
「傷口に海水をすり込んで、そのまま風にさらすと治る」と大嘘を言いました。
聞いてるだけで鳥肌が立ちそうなくらい痛いですが、
兎はこの八十神たちの嘘を真に受けて実行してしまい、
傷口は塩で赤く腫れ、風邪で乾燥してひび割れて治るどころか悪化してしまいます。
兎が痛みに耐えかねて泣きながらうずくまっているところに、
今度は八十神たちの集団から遅れてやって来た大国主が現れます。
大国主が事情を聞くと、兎が皮を剥がれた経緯を説明しました。
兎は、因幡の国にいるとある姫様に会いたいと思い、
讃岐(今の香川県)の国から海を渡って因幡の国に行こうと決意しますが、
どうにか泳がずに海を渡れないかと考えていました。
そこで閃いたのが、海を泳ぐサメを利用する事でした。
サメに「自分とどっちが仲間が多いか勝負しよう」と持ち掛け、
サメの仲間たちを横に並ばせ、兎は並んだサメの背中を歩き
サメの数を数えるふりをしながら向こう岸に渡ろうとしたのです。
しかし、自分の作戦が上手く行った事に嬉しくなった兎は
まだサメの背中を歩いているのに、サメを騙したことを喋ってしまいます。
騙された事に怒ったサメは兎に襲い掛かり、毛皮をむしって赤裸にしてしまいました。
更に八十神たちに教わった傷の治し方も話すと、
大国主は同情しながらも
「体はすぐに真水で洗い、蒲(がま)の花を摘んできて、その上に寝転ぶと治る」と
正しい治し方を教えました。
兎が言われた通りにすると、見る見るうちに傷口は治って毛皮も復活し、
元通りの白い兎になりました。
(ちなみに、「蒲」って沼に生えてるこんなやつ)
喜んだ白兎は
『八上姫さまは八十神たちではなく、あなたを選ぶでしょう。』と予言します。
そして、兎自らが伝令の神となり、八十神達の到着より前に、
この事実を八神姫に伝えに行ったのです。
そういうわけで、八上姫は我先にと競って到着した八十神たちには目もくれず
大荷物を背負ってだいぶ遅れてやってきた大国主と結婚したのでした。
のちに大国主は私たちの遠い祖先たちと共に国土を開拓し、
農耕・漁業・殖産から医薬の道まで、あらゆる知恵を授けて
この国を豊かで力強い国にしました。
そしてこの国を天照大御神に譲り、たいそう喜んだ天照大御神は
その見返りにと、出雲の国に大きな御社を建てました。
その御社が、現在の出雲大社です。
大国主はのちに大国主神と名前を変え、
現在では縁結びの神様として知られています。
この神話では、兎が大国主神と八上姫との縁を取り持っていますね。
大国主神だけではなく、因幡の白兎もまた
参拝する方々の縁結びの手助けをしてくれる存在なんですね^^
出雲大社には兎像がたくさん!
そんなわけで、出雲大社の神様・大国主神と深い関係にある因幡の白兎。
現在、出雲大社の境内には全部で46羽の兎像があります。
その兎像は一羽一羽全て表情が異なり、どれも愛くるしくて
私たちを楽しませてくれます。
中には、大国主神と白兎が出会う神話上のワンシーンを再現した像もあります。
出雲大社に参拝する際には、
境内の色んな所にいる兎像を探してみるのも面白いですよ^^
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